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そもそも牛とは。後編。

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コロナの影響によって政府も非常事態宣言に踏み切ろうとしている中、

家での待機を余儀なくされてる人もいると思う。

 そういう人にも、

また今は黒毛和牛の肉の消費低迷で、

相当なダメージが出てきている農家の人へも

読んでほしいし、

肉食べたいと思ったらネットなどを使ってみてほしいと思って書いた。

 

ただ、

そもそも黒毛和種とは?という、

 

そもそも牛とは?

(https://icent.hatenablog.com/entry/2020/03/28/232737

の肉牛版。

 

まずは肉牛とは?というところ。

 

今は自粛ムードでいっぱいなので

スーパーに行って確認して?とは言わないのだが、

一般的にお店の商品名に表記されている

牛肉、黒毛和種等々あるが、その中でも黒毛和種が今日のテーマ。

 

黒毛和種とは名前の通り、

外見は黒い牛で

何度も書いたホルスタイン種(主に牛乳を生産する牛)とは全くの別物。

外見の色だけでなく、

 

爪の色も黒

舌の色も黒

 

たまに白い毛があると「斑紋あり」と表記されるほど黒毛和種という種類は黒い。

(遺伝の関係で白い毛が部分的に生える場合がある)

 

そんな黒毛和種の歴史とは?

これはホルスタイン種同様だが、諸説が多くルーツというのも確定していない。

ただし、遥か昔、東北地方にいた牛(おそらく現在の渇毛和種)からの交配によって

今の黒毛和種という品種の選別ができたと言われているのが有力かな。

 

そして普段、目にする黒毛和種とラベルの貼られた牛肉は間違いなく、

この外見が黒い牛。

 

黒い牛ではあるが、

その外見とは逆に、

肉は鮮やかな赤身と

その中に綺麗に描かれたような脂(通称サシと呼ばれる)が入っている。

 

正直、赤身の部分に(美味しさを感じる)味はないって知ってましたか?

知らない人が多いと思うけれど、

肉全般で言えるが、

このお肉美味しい!というのは正確ではなく、

美味しいと感じる味の正体は脂。

その赤身に溶け込んだ脂を口にすることで、

美味しいと感じることができる。

 

また、

黒毛和種は脂が濃い

舌触りが悪い

正直、美味しく感じられなかった。

という人もいると思う。

 

それは脂の融点が大きく関係している。

融点とは、その物がどのくらいの温度で溶け始めてくるのか。ということだが、

この融点が高いと、

口の中の温度では脂が溶けきらず、

口に残ってしまうから舌触りが悪くなる。

脂が濃く感じられるのも同じことで、

融点が高いと、肉への溶け込みもしっかりと中まで入らない。

 

逆に、美味しいと呼ばれる肉というのは、

極端なことを言えば常温でも表面から解けてくるぐらい融点の低い脂。

口溶けもサラっとしているし、

肉一切れ食べても、口の中全体に広がるような溶け方をする

(口に染み込むという表現の方がいいのかな?)。

 

この融点の違いはなんだ?

これが黒毛和種を専門としている肥育農家さんの腕の見せ所。

牛を太らせる技術もさることながら、

美味しい脂をつけるというのは技術力。

そのためにはいろんなエサを試行錯誤しながら考え、

肉が痛まないよう、怪我しないように出荷する日までの管理、

特にブランド力の高い農家さんは皆、独自の方法で管理している(エサ含めて)し、

その情報はたぶん聞いても教えてくれない笑

何十年と培ってきた技術であり、その技術が1頭の牛、肉へと反映されている。

 

そういう裏方の部分を考えると、

黒毛和種が他の肉より高値になっているのも、

 

ひとつの「技術力」を買うと考えたら、

少し、見方が変わるかな?

また、黒毛和種の生産者、ブランド牛の食べ比べなども

食を楽しむという部分ではアリかなと思う。

今は外食へはほとんど行けないと思うが、

今はネットの時代。

ネットでも肉が買える時代になったので、

検索するとたくさんのブランド牛を作っている農家さんが見える。

 

色々想像して肉食べたいって思ってくれれば嬉しい。。。

 

 

 

 

 

 

伝えたいことがもうひとつある。

肥育農家さんというのは、

牛そのものの導入は様々であるが、

出荷するまでの維持費

つまり牛のご飯代(飼料代)というのが、

ケタ違いでデカイ。。

そのため今のような需要の減少してきた状態だと、

市場価格の低下により、肥育農家さんへの負担は直撃する。

おそらく国としての補填もあると思うが、

それまで経営を維持できない肥育農家さんが出てしまうと思う。

 

単純に説明してしまい申し訳ない部分もあるが、

毎月のエサ代は毎月の出荷した牛の売却代金で精算していくのが

おおよそ一般的。

仮にお金があり、数ヶ月分の余裕があるとしよう。

しかし、毎月出荷するということは、

売却する個体が減るということで、

農家さんは肥育に向く牛を毎月購入していく。

そのお金も持っている分と毎月の出荷した牛の売却代金を含めた中で精算する。

 

常にお金を回しながら経営している状態であるため、

売却代金が減るということは、

お金のサイクルが崩れることを意味し、

そのサイクルを元に戻すためには、

膨大な時間と、

新たな牛の導入等によってお金を追加投資しなくてはならない。

 

経費先行型である。

 

これは搾乳農家でも同じことが言えるのだが、

この今の世の中の情勢でいくと、

この経費先行型に耐えられるか?というのが肥育農家さんの正直な部分で、

経費先行型のスタイルに合わせ、毎月の経費、維持を含めると

 

この状況が回復してもすぐに肥育農家さんが

従来どおりの経営ができるとは思えない。

 

先の見えない状況が一番不安になるが、

どうか耐え抜いてほしい。

肥育農家さんがいて

はじめて日本の牛肉は成り立っているし、

日本の肥育技術、安心安全面は世界でもトップレベルであるため、

その全てを摘むのはあまりにも惜しいから。

 

 

「和牛が売れない」

 

という短文でも奥まで見えると深刻さが少しでも伝わってくれればという思いもあって

書いてみた。